CCNAでは1エリア(area 0)だけで済みますが、CCNPではマルチエリアが本題になります。なぜ分けるのかを整理します。
シングルエリアの限界
OSPFは各ルーターがネットワーク全体の地図(LSDB)を持ち、最短経路を計算します。規模が小さいうちは問題ありませんが、ルーターが増えると、
- 地図(LSDB)が巨大になりメモリを食う
- どこか1本のリンクが上下するたび、全ルーターが再計算(SPF)する
- ルーティングテーブルが膨れる
といった負荷が出ます。
エリア分割で影響範囲を閉じ込める
そこで、ネットワークを複数のエリアに分け、エリア内の細かい変化はエリア内で閉じるようにします。全エリアは必ずバックボーンエリア(area 0)に接続し、エリア間はABR(Area Border Router)が中継します。
router ospf 1
network 10.1.0.0 0.0.255.255 area 0
network 10.2.0.0 0.0.255.255 area 1
これで、area 1 の中でリンクが揺れても、area 0 や他エリアのルーターは大きく再計算せずに済みます。障害の波及を局所化できるのが最大のメリットです。
スタブエリアで更に軽く
末端のエリアには、外部経路(他プロトコルからの再配布経路)を流し込まない「スタブエリア」を設定できます。末端ルーターは詳細な外部経路を持たず、デフォルトルートでABRに任せることで、テーブルを小さく保てます。
area 1 stub
設計のコツ
- area 0 を必ず中心に置き、全エリアを接続する
- エリアの境界は「集約しやすい所(連続したアドレス)」で切る
- 末端はスタブにしてテーブルを軽く
「エリア=障害と情報の閉じ込め単位」と捉えると、なぜ分けるのかが腑に落ちました。集約と組み合わせると効果が一段と上がります。