「ネットワークを設計して」と言われて、いきなり機器を選び始めていませんか。要件から構成へ落とす、設計の進め方を整理します。
1. 要件を聞き出す(ここが8割)
いきなり技術に入らず、まず何が必要かを固めます。
- 規模: 拠点数、収容端末数、将来の増加見込み
- 可用性: 止まったら困る度合い(冗長化の要否)
- 性能: 必要な帯域、遅延の許容
- セキュリティ: 分離したいネットワーク、外部公開の有無
- 予算と運用体制: どこまでコストをかけられるか、誰が運用するか
要件が曖昧なまま作ると、必ず後で作り直しになります。
2. アドレス設計を先に決める
構成より先に、IPアドレスの割り当て方針を決めます。
- 拠点・用途ごとにブロックを分ける(集約しやすく)
- 将来の拡張分を空けておく
- 管理系・サーバ系・利用者系でセグメントを分離
ここを適当にやると、後から集約もフィルタもできなくなります。
3. 構成を描く(論理→物理)
- 論理構成: VLAN、セグメント、ルーティング、どこで冗長化するか
- 物理構成: 機器の配置、結線、電源
論理を先に固め、それを物理に落とす順が事故りにくいです。
4. 冗長化とセキュリティを織り込む
- SPOFを洗い出して冗長化(回線・機器・電源)
- セグメント間の通信制御(FW/ACL)を設計
- 管理アクセスの経路と認証
5. 運用を見据える
- 監視(何を、どう見るか)
- 命名規則、ラベリング、構成管理
- 変更手順と切り戻し
「作って終わり」ではなく「運用できる」まで設計するのがプロの設計です。
ドキュメントを残す
設計意図(なぜこの構成にしたか)を残すと、後任者や自分の未来を助けます。図だけでなく「この冗長化は何を守るためか」を言葉で書いておきます。
まとめ
ネットワーク設計は、要件定義 → アドレス設計 → 論理/物理構成 → 冗長化・セキュリティ → 運用、の順で進めます。技術選定は後半で十分。要件とアドレス設計に時間をかけるのが、良いネットワークの分かれ目です。